しょかん » イソップ童話集。狐と樵夫

イソップ童話集。狐と樵夫 作者:イソップ。訳者:菊池寛   一ぴきの狐が、狩人に追われて、一生けんめい、にげて来ると、樵夫が木を伐っているところへ出ました。狐はあえぎながら、 「おねがいですから、たすけて下さい。」 と、たのみますと、樵夫は、 「よしよし、あの中にかくれるがいい。」 と、云って、すぐそばの小舎をおしえてくれたので、狐は大いそぎで、その中へとびこみました。 間もなく狩人が追いついて来て、 「樵夫さん、ここへ狐がにげて来なかったかね。」 と、たずねますと、樵夫は、 「いいや、来なかったよ。」 と、口では云いながら、そっと指を出して、小舎を示しました。 けれども、狩人はいそいでいたので、樵夫のその合図には気がつかずに、そのまま先へ走っていきました。 狩人が見えなくなると、狐はそっと小舎から出て来て、だまって立ち去ろうとしました。樵夫はおこって、 「この恩知らずめ、おまえは、おれのおかげで、命びろいをしたんじゃないか。それだのに一言のれいも云わずに立ち去るということがあるか。」 と、なじりますと、狐は 「なるほど、あなたの言葉は私をたすけました。しかし、あなたの指は、もうすこしで私を殺すところでしたからね。」 と、こたえて、すたすた行ってしまいましたとさ。


SitemapTerms of useAbout usThe games
Games for Elementary, Middle and High School.
Flash, Java, Shockwave and Html5 Games.
©2006- chiquiplanet.com