しょかん » イソップ童話集。狼と鶴

イソップ童話集。狼と鶴 作者:イソップ。訳者:菊池寛   一ぴきの狼が、つかまえたうさぎをモリモリたべているうちに、ひょいと骨をのどに、ひっかけてしまいました。 狼はくるしがって、森中をかけまわりながら、 「この骨をぬいてくれた者には、うんとたくさんのおれいをする。」 と、申しました。 すると一羽の鶴が、おれいをもらいたかったので、 「では私がぬいてあげましょう。」 と、云って、そのながいくちばしを、狼の口のなかへつっこんで、うまく骨をぬきとってやりました。 そこで鶴は、 「さあ狼さん、やくそくのおれいを下さい。」 と、申しますと、やれやれとのどをさすっていた狼は、急に目をむいて、 「何だと、もう一度云ってみろ、この欲ばりめ、きさまはおれの口の中から、無事にそのくちばしをあげられたことを、この上もないおれいだ、とおもわないのか、さっさとにげないと、かみころすぞ。」 と、おどしつけました。


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